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相続遺言アドバイザー
                           行政書士 のりはな事務所
本文へジャンプ 8月8日 

 

遺言編
  
相続制度は二本立て

それでは相続制度をもう少し勉強しましょう。世間では相続人とな

った子供たちは平等に親の財産を相続し、平等の割合で相続財

産を分けるように要求できるものだし、また要求があれば、その

通りに分配しなければならないものと考えている人が多いようで

す。この考え方は全く間違いだとは言えませんが、正しいとも言

えません。民法の相続編では、子は平等の割合で相続すべきこ

とを規定していますが、それはあくまでも遺言がない場合の相続

財産の分配について規定したものです。被相続人は、自分の所

有する財産は、生前であろうと死後であろうと、自由に処分できる

のが原則です。ですから、被相続人が遺言書によって「妻に全財

産の3分の2を相続させる」というような法定相続分と異なった指

定をしたりするような相続も可能なわけです。ここで整理します

と、相続はまず、被相続人が遺言書を残していれば、遺言書の

内容が法定相続よりも優先し、遺言がなければ、民法900条に

よる法定相続が行われる二本立てになっています。

ですから、相続をすることになった場合は、遺品を整理して遺言

書の有無を確認した上で相続人同士の遺産分割の話し合いに入

りましょう。遺産分割の話し合いが終わった後で遺言書が発見さ

れますと問題がでてきます。例えば、遺産分割協議書と異なる

指定が書いてあったり、あるいは廃除により相続人の地位を失う

ものが出てきたりすると、遺産分割のやり直しをしなければならな

いケースも出てくるからです。

遺言書に書けばなんでも出来るのかと言えばそうではありませ

ん。やはり制限があります。例えば、遺言書によって全財産を児

童福祉施設に寄付すれば、遺された妻や子ども生活はどうなる

でしょう。また、3人いる相続人のうち1人だけに全財産を与える

遺言をした場合、あとの2人は1円も貰えず、公平さを欠くことに

なります。そこで、相続人の生活保障や共同相続人間の公平な

財産相続をはかるため、遺産の一部を相続人に遺しておく必要

があります。ここで、民法の私有財産制度に制限を設け「遺留

分」という制度が誕生したわけです。相続人のために遺しておく

遺留分は、相続人は配偶者や子の場合は法定相続分の2分の1

親など直系尊属が相続人の場には3分の1となっていますが、

兄弟姉妹には認められていません。


相続したから財産がプラスとは限らない

相続財産はプラスの財産もあればマイナスの財産もあるのです。

ですから、親が借金を抱え込んでいたり、債務の保証などをして

いる場合、マイナス財産が多ければ貧乏人になることも考えられ

なくはないのです。ちなみに民法の相続の効果についてみてみま

すと、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した

一切の権利義務を承継する」としています。すなわち、権利も相

続の対象になるが、同時に義務をも相続する規定しているので

す。ここでいう権利とは、建物の所有権や借地権、銀行の預金

債権、貸金債権、売掛金債権、特許権といった権利の他、訴訟

上の地位も含まれます。また、相続の対象となる義務には、売

掛金債務、連帯保証債務、金銭債務、手形債務などがこれに当

たります。では次に、被相続人の債務のうち、相続の対象にとは

ならず、引き継がなくてよいものをみてみましょう。まず、一身

専属的な債務は相続しません。扶養義務や身元保証債務は

一身専属的な債務ですから、義務者の死亡により終了し相続

しません。しかし、すでに発生して支払いが遅れているだけの扶

養債務や、損害が発生して額の確定した身元保証債務は、普通

の金銭債務に転化していますから、当然相続の対象になります。

次に、信用保証などの継続的保証債務があります。責任限度額

の定めのない保証債務は相続人の予測の出来ない広範な責任

を生ずる可能性があり相続人に酷すぎるからのようです。反対に

責任限度額のあるものは相続の対象になりますので、被相続人

の遺した保証債務がどちらかになるかを慎重に検討する必要が

あります。


相続したくなければ相続放棄を

夫がパチンコや競馬に狂い、サラ金から300万円も借りたという

場合、サラ金からの催告きたら、妻は法律上返済の義務を負わ

なければならないのでしょうか?サラ金から借りた目的が、子供

の学費のためとか、祖父の入院費などのように、日常家事債務

のためのものであれば返済義務を負いますが、それ以外は最愛

の夫の借金であっても妻に返済義務はないのです。

家族の中心である夫婦間でも、対外債務については無条件に返

済義務を認めているわけではありません。これが親と子であれば

なおさらです。いくら相続の形をとったとしても、親の背負い込ん

だ借金を当然に我が子が支払わなければならないということは不

合理です。そこで民法は相続しない自由を認めています。しかし、

財産は相続するが、債務は一切相続しないという自由は認めら

れません。それは余りにも虫がよすぎるというものです。

親が死亡して、四十九日の法要も終わるころになると、相続の話

が出るようになりますが、まずなすべきことは、相続財産を調査し

確定することです。相続する財産が1000万円しかないのに負債

が3000万円もある場合には、相続しない自由を選択することが

できます。すなわち、相続放棄手続きをするのです。


民法では相続が開始したのに何もしないと、当然に相続をしたも

の(単純承認)として扱われます。すなわち、相続人が相続の開

始したことを知ってから3ヶ月間、何もしないで放っておくと、単純

承認したものとされますし、3ヶ月以内であっても相続財産の全部

又は一部を処分すると同様に単純承認したものとみなされます。

ですから、相続財産の調査は、相続の開始を知ったときから3ヶ

月以内に行うようにすべきです。


また、相続放棄とは別に、プラスの相続財産の範囲で相続債務

の責任を負うという相続の仕方もあります。これを限定承認とい

いますが、限定承認も相続放棄と同じように、自分が相続人とな

ったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して行い

ます。この限定承認の申述は、相続放棄とは違い、相続人単独

で行うことはできず、全員が一緒に相続財産目録を作成した上で

家庭裁判所に提出しなければなりません。


生前、親に学費を出してもらっている場合

相続事件でトラブルとなっている原因のうちの多くは、相続人の

間の相続分が公平でないことに起因しています。そのため民法

では公平な相続ができるよう相続財産を増減させる方法を規定

しています。兄は大学に進学し、学費を出して貰った上に、住ま

い購入の援助もしてもらった。弟は高校を卒業すると、就職し親

と同居し生活している場合、この兄弟が法定相続分通りに2分の

1ずつ相続するというのは、数字の上で平等にみえますが、公平

さを欠く結果になります。そこで民法は、被相続人が生きているう

ちに、生前贈与を受けた者(特別受益者)がある場合には、その

者の受けた価額を加えたものを相続財産とすると定めています。

すなわち、この規定によって、被相続人から生前に金や物を貰っ

た者と、何もしてもらわなかった者とが、公平に扱われるこのにな

るのです。

民法では次の場合を特別受益者として扱うとしています。

@婚姻、養子縁組のための贈与

A生計の資本としての贈与

よって共同相続人の中に特別受益者がいる場合の相続分の計

算は次の順番で行います。

@被相続人が相続開始のときに有していた財産を時価で評価
  します。

A被相続人から生前に贈与された財産を相続開始のときの時
  価で評価しこれを@の価額と合算します。

Bこれに法定相続分(遺言による指定があるときはその指定に
  従う)を掛けます。

Cこれが本来の相続分で、ここから生前贈与を受けた価額を引
  きます

被相続人に貢献した場合

相続人の不公平さをなくすためのもう一つ制度があります。

それは、寄与分といわれています。

兄は親の家業を継ぎ会社として大きくなった。

一方弟はサラリーマンとして家から離れて暮らしている。

このような場合この兄弟が同じように遺産を分け合うことは不

公平な分割になります。

そこで、兄の親に対する協力、貢献を考慮して兄の取り分を多

くしてやるのが相続人の間の実質的な公平にかなうことになり

ます。この多くなる取り分のことを寄与分といいます。

寄与分が認められるのは、相続人に限られています。

また寄与分として認められるのは財産の維持や増加をもたら

すものであれば方法は問われません。

寄与分をいくらにするかは、相続人の間で協議することになっ

ていますが、協議がまとまらないようであれば、寄与をした者が

家庭裁判所へ請求して決めて貰うことも可能です。

寄与分の計算方法は特別受益者と正反対で、被相続人が相続

開始の時有していた財産から、寄与分を控除したものをもとに相

続分を掛けて算出することになります


相続財産は相続人同士で話し合う

相続でよくモメルケースとして遺産分割の段階があげられます。

なぜかといいますと、法定相続分にこだわってモメルということが

言えるようです。相続で最初の段階でなすべきことは、被相続人

の遺産相続を総額を確定することですが、遺産が現金や預金、

株券のように分割が容易にできるものなら、法定相続分通りの分

割も簡単なのですが、遺産には分割が困難なものもあります。

人は生きている時は、将来相続の対象となる財産を自由に処分

することができます。生前に遺言で死後の財産処分について相

続分を指定することも可能です。

相続が行われると遺産は相続人の所有となります。相続人の所

有であれば、相続人がどのように遺産をわけるのも同様に自由

ということになります。ただし、民法では遺産分割に一つの基準

を設けています。「遺産分割は、遺産に属する物又は権利の種類

及び生活の状態その他一切の事情を考慮してこれをする」と定

めています。

遺産分割の協議をし決めたものであれば、それが必ずしも基準

や法定相続分通りでなくても遺産分割は有効に成立します。

それでは、遺産分割協議の進め方を見て行きましょう。

遺産分割協議には、相続人全員が何らかの形で参加して行うこ

とが必要です。一人でも不参加であれば、協議は無効です。

相続人であるのに遺産分割の協議に参加できない例としてあり

がちなのが、相続人の行方不明です。行方不明となってから七

年間が経過しており、生死も不明であるという場合には、家庭裁

判所に失踪宣告の審判申し立てをする方法があります。

この審判があると、その期間が経過したときに失踪した人は死亡

したものとみなされます。

その結果、失踪者の死亡とみなされた日時が、被相続人の死亡

より前であれば、代襲相続人が遺産分割協議に参加することに

なります。行方不明になってから日が浅い場合などは、家庭裁判

所に申し立てて、不在者のための財遺産管理人を選任してもら

いその管理人を分割協議に参加して行うことになります。

遺産分割をした後に相続人が出てくるケースもあります。

被相続人が遺言によって愛人の子を認知したか、あるいは認知

の訴訟によって被相続人の子であることが認められた場合です。

認知の効果は出生のときにさかのぼることになっていますが、

第三者がすでに取得した権利を害することはできないとされてい

ます。ですが、分割後に認知された相続人になった場合は、金銭

のみによる支払いを請求できるとしています。

これとは逆に、戸籍上は相続人であるが、遺言によりあるいは家

庭裁判所の審判によって相続人の地位を奪われた者が遺産分

割協議に参加して、遺産分割を受けていた場合はどうなるので

しょう。

この場合は、遺産分割協議に全員が参加して行われていますの

で、遺産分割は有効と考えられます。

そして、相続回復請求権により、受けた相続人から相続した財産

を取り戻し、その分についてだけ改めて分割を行うことになります

遺産分割協議書のサンプルを見る  →  遺産分割協議書


次に法定相続人についてお話します。

知りたい方はこちら  →  法定相続人

       



























































































































































































































































    兵庫県行政書士会 阪神支部所属
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